- 造園豆知識 -

剪定

剪定一般事項

「整姿」とは、樹木を庭のデザインや目的・機能にあった姿、かたちに整えることをいい、「剪定」は、整姿するために、枝葉あるいは幹の一部を切り除く作業をいう。樹木は年々生長し続けるので、そのままに放置しておくと、枝葉が茂りすぎて樹形が乱れ美観を損なうばかりではなく、日照、風通しも悪くなり、樹冠内部の枝が枯れたり、病虫害に侵されやすくなるので、樹木の生理的な生長ののバランスと美しい樹形を保つ事を目的に行う剪定はあくまでも樹木の生長を補助するために必要最低限の作業なのです。

剪定時期

剪定は、樹木に負担を与えるもである。
時期を外して剪定を行うと樹勢が弱まり、時には枯死してしまう事もあるので適切な時期を選んで行うことが大切になります。樹種によって異なりますが、一般的に針葉樹は古い葉が枯れる10月~11月、あるいは春先が良いでしょう。常緑広葉樹は、新芽が出る3月~4月頃、又、土用芽の生長が止まる9月~10月頃が適期とされている。落葉樹は、葉が落ちている11月~3月が適期であるが、新芽が出揃い樹形が固まった7月~8月にも剪定するようにする。花木類の場合は、剪定の時期を誤ると開花が見られなくなるので注意が必要である。おおむね花が咲き終わった直後に剪定を行うとよい。

落葉樹(モミジ・ウメ)

落葉樹落葉樹については、枝の芽を見て切ります。
モミジは忌み枝(徒長枝、交差枝、胴吹き枝、逆さ枝)等を除去します。枝つくりにしてあるものは、枝の先の切り方は、芽が地面側にあるものを残してその上から切ります。上面の小枝は、2~3芽残し切っていきます。これは、モミジは枝の元より切りますと切り口から立ち芽がいっぱい出て荒れてしまいます。それを治すとなると2,3年はかかりますので、なるべく伸びている枝はとりあえず今年半分を切り、来年又その半分を切って立ち芽にならないように芽を整えます。枝の上面は凸凹が出来ていたら、なるべく平らに整え仕上げます。
緑化用の物は、込んでいる枝、重なっている枝、同じ方向に伸びている枝等を除去していきます。先を止める場合は、前に述べたように芽が下を向いているところより上で切ります。全体のバランスを見てとめます。

常緑樹(アラカシ・モチノキ・クロガネモチ)

常緑樹脚立等により、上部よりハサミを入れていきます。毎年手入れを行っている樹木と2年以上何も手入れをしていない樹木では手入れが違います。毎年手入れを行っている樹木の手入れ方法を説明します。(一枝毎の話)
枝を横から全体を見ての葉が付いていれる所が大体わかると思います。葉を1枚か2枚残し切っていきます。とりあえず切っていきます。一枝切り終えたら全体を見て飛び上がりが出来ていると思います。飛び上がりは葉がなくなってもいいですので高さを合わせそろえます。枝の厚さをなるべく薄く仕上げます。今の時期は葉が無くても大丈夫です。
2年以上手入れのしていない樹木は、4月以降の時期に上記に延べた切り方では出来ないので、荒れている樹木については、新芽が吹いて完成の姿になるように切ります。これは、思い切った剪定をしないと出来ませんので思い切って切ります(針葉樹は出来ません)。横枝の幹だけになると思います。上部小さく剪定します。全体が三角形の形です。

針葉樹(クロマツ・ゴヨウマツ)

針葉樹マツは、毎春枝先に数本の新芽が発生する。この新芽を摘み取る作業が「みどり摘み」です。この時期を逃すと手では摘み取りが出来なくなります。樹形を考えて摘み取りを行います。まづは、中心の芽を摘み取ります。周りに残っている芽は新芽の中央より摘み取ります。又、下(地面向いて))に出ている芽は必ず残すようにしないといけません。なぜかと言うと、マツの芽は必ず上を向いて伸びてきます。芽は下から上下から上というように仕立てていきます。その芽が将来の枝となっていく必要な芽ですので残してください。
葉むしりは、毎年10月の時期が最適です。この作業の目的は、枝の葉が茂ってきますと下の枝に日が入らなくなり葉が弱くなり最後には芽が死んでしまいます。又、病虫害も発生しやすきなりますので、これらのことを排除するため適度な葉数の切除を行います。手入の要領は芽が4、5本出てきますので中心の芽を取り残りの芽が残り来年その芽に4、5本芽ができ、又、中心の芽を取りというように芽が増えていくはずです。毎年芽が増えないのは間違いの手入です。先ずは、ハサミにて一枝ずつ仕上げていきます。芽を手にてつまみ、新芽の中心を取っていきます。一枝全て切りましたら、葉むしりですが先の葉を10本くらい残し地面側の葉を葉の袋が付いていますのでそれを綺麗に爪でかきおとして取っていきます。又、葉先の10本ほど残した葉のすぐ下をくるりと全部取ります。全体の枝の形は、私共は剣芯流という流儀ですので、たとえで言うと魚の食べた後の骨の形と思ってください。枝を下から見た形がそのような形にしていく仕立てです。最後に横から見て葉が下がっていたり、ぶら下がっている葉は取り除きます。後は残り枝を全て仕上げて完成です。

生垣(カナメモチ・サザンカ・マキ他)

生垣大バサミで角をつけて刈る方法と丸く刈る方法がいろいろありますが好きな形に仕上げて頂いたら結構です。これだけは知っておいてください。樹木は上部のほうが良く伸びますが下部はあまり伸びないので下は弱く上は強くと覚えておいてください。
刈り込みは、刈り込みバサミを用いて樹冠全体を均一に揃えて刈り込み、生垣などの角形、玉物などの球形に整姿する作業である。刈り込みは、多数の枝をまとめて刈り取るので、比較的細かい枝を密生させる樹種が適しており、さらに樹勢があり、萌芽力に富む樹種でないと耐えることが出来ない。針葉樹では、イチイ、キャラボク、サワラ、ヒノキ、カイズカイブキなど、広葉樹では、イヌツゲ、カナメモチ、サツキ、マサキなど。落葉樹では、ドウダンツツジなどが適している。
刈り込み時期は、新梢の生長が休止している5月~6月と土用枝の成長が休止している9月頃の年2回が普通である。
サツキ、ツツジなどは、花の咲き終わった直後に1回の刈り込みで十分である。又、イヌツゲなどは、徒長枝が出やすいので適期状態に応じて刈り込むと良い。

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