肥料の五要素
窒素(N)
- 植物のたんぱく質や葉緑素を作る役目をする。葉の色を濃くし、葉を大きく、茎を太く高くする。
- 不足しないよう注意し、潅水や雨水で流亡しやすいので、その都度施肥して、必要量を維持する。
リン(P)
- 細胞分裂を盛んにする役目があり、根、茎の分岐や葉数が多くなる。また花や果実が多くなる。
- 酸性土壌を改良し、堆肥などの腐植質といっしょに施す。基肥として与える。
カリ(K)
- 糖やデンプン、タンパクを作り、それを移動させたり蓄積する役目がある。
- 植物が活動を始めて、新芽が伸びる頃は特に必要。また生育末期にも吸収が増す。基肥として与えるが、吸収量が比較的多いので、追肥が必要なこともある。
カルシュウム
- 窒素(硝酸態チッ素)の吸収を助けたり、カリ、マグネシュウムの吸収を調整する。
- 石灰は潅水、雨水で流亡しやすく、また肥料としての役目以外に酸性土壌の中和や土壌の団粒化を促す。植え付け前に土壌に十分混ぜる。
マグネシュウム
- 葉緑素を作るのにかかせない。
- 普通は土壌中に自然に含まれる量で足りる。
肥料の種類
有機質肥料
遅効性肥料
動物質肥料(N・P)
魚かす、干魚(ほしか)、魚節煮かす、肉かす粉末、肉骨粉、生骨粉
植物質肥料(N)
菜種油かす、大豆油かす、わた実油かす、落花生油かす、ヒマシ油かす、米ぬか油かす、ゴマ油かす
自給有機質肥料
堆肥、牛糞尿、豚糞尿、鶏糞、人糞尿、緑肥(れんげ)
有機廃棄物肥料
汚泥肥料(コンポスト)
無機質肥料
速攻性肥料。最近は遅効性もあります。
化成肥料(化学肥料)
化学的に合成された肥料で、N質の硝安・尿素、P質の過燐酸石灰・熔成リン肥、K質の硫酸カリ・塩化カリなどがある。一般的に速効性で、施す時期を間違えたり、与える量が多すぎたりすると、根を傷めるなどの弊害が出る恐れがある。最近では、遅効性のものもある。
施肥の時期
寒肥(1~2月)
春にいっせいに芽を出し生長を始める。その生長を助けるために冬の冬眠期に与える肥料。春から夏にかけて長い期間肥料の効果を持続させなくてはならないので、堆肥や油かすに骨粉や鶏糞を混ぜたものを与える。遅効性肥料がよい。
芽出し肥(3~4月)
春の萌芽期に根の活動が盛んになるころに行う肥料。萌目芽や枝の伸長を助けるのが目的で、すぐに効き目のあらわれる即効性肥料を与える。
お礼肥
花が終わった後や、果実を収穫した後に、樹勢を回復させる目的で行う肥料。すぐに効き目のあらわれる即効性肥料を与える。
秋肥(9月頃)
花芽の充実や耐寒性をつけるために行う肥料。地チッソ分を控えめにして、りん酸、カリ分の多い遅効性肥料を与える。
肥料の施し方
庭木に肥料を施す場合は、樹木の広がり(樹冠)くらい根は張っているので、そのくらいの位置に金の棒などで穴を4箇所から6箇所深さ20~30cmくらい開けその中に肥料を入れ土は戻さずそのままにしておく。樹木は肥料のある方向に根を張るのでなるべく遠く広範囲に施すのが効果的である。